新任薬剤師研修会に参加して(4)
災害医療センター 薬剤科
直井 隆浩(出身大学:城西国際大学(平成24年))
興味のある分野:災害医療、感染症、緩和ケア、救急医療、精神科領域
私は平成24年の3月に城西国際大学を卒業し、同年4月から災害医療センターに採用をいただきました。日々の業務、一人での生活、いままでに全く経験のない新しい環境で右も左もわからずにただうろたえるばかりで、当初は同施設の先輩方に多大なご迷惑をおかけしておりましが、日頃の先輩方のご指導もあり、出来ることが少しずつ増え始めた頃、新任薬剤師研修会に参加する機会をいただきました。
研修は、まず病院薬剤師の心構えを再認識することから始まりました。患者さんのために、と頭で分かっているつもりでしたが、日々を省みると、例えば患者さんから聞かれたことを後で見ても分かるよう薬袋などにメモしておく等、やればよかったと反省すべき点が色々と思い当りました。 次に、「チーム医療とは」「安全ながん薬物療法とは」「医療安全とは」「3,4年目薬剤師からの提言」というテーマで様々な施設で色々な業務を行っている先輩方のご講演を聞いて私が感じたことはまず、患者さんだけでなく看護師や医師等スタッフとの信頼関係を作りチームとして連携できる薬剤師でなくてはならないということ。次に、スタッフとの信頼関係の構築や連携を図るためにもあらゆる薬剤を患者さんだけでなく関わる人が安全に扱うためにも、薬剤師としての深い知識と経験が必要であるということ。また、患者さんの健康や社会生活を守るためには高い倫理観と普段からの慎重な姿勢が必要であるということ。そして、自分から望んで積極的に行動や発言をしていけば色々な分野の業務に携われる可能性があるということでした。
その後、「糖尿病のデバイスの使い方を分かりやすく患者さんに指導するには」というテーマでグループディスカッションを行いました。まだ病棟業務の経験のない私にとって、どのような工夫をすればいいのか、また同じ班になった薬剤師の方の意見を聞き、患者さんに実際にこれから指導していく際の良いヒントとなりました。そして発表の際、模擬患者さんをやっていただいていた先生から、血糖値とはなにか、インスリンとはなにか、という質問があり、手法ばかりに目がいき、患者さんがどの程度糖尿病に理解があるかという実際の患者さんと対峙した際の状況を想定した考えに至っておらず反省し、貴重な経験をさせていただきました。
新任薬剤師研修に参加し、日々の業務でどのような心構えを持つべきか、何に気をつけるべきかの着眼点を学び、そして新任としての初心を忘れない事が大切だということを実感しました。このことをこれからの業務に活かすことを心がけていこうと思います。
私は、これまで病院薬剤師として明確な目標も立てられず、また方向性もよくわからず焦燥感もありましたが、今回の研修で諸先輩方がこれまでどのように過ごし、迷い、挑戦してきたのかを聴き、気持ちが楽になりました。経験の浅いうちから幅を狭めてまで遠くの目標をたてるのではなく、まずは身近なところから、病院薬剤師としての基礎を確実に習得し、また同時に色々な分野に興味を持ち積極的に挑戦していきたいと思います。 最後になりましたが、貴重な話を聴き、同じ新任の薬剤師の方々と関わる機会をいただけた関信地区薬剤師会の先生方、日頃の教育をいただき、また勤務上の配慮をいただきました同施設の先輩方、意見を交わした同班の薬剤師の各先生方に心より厚く御礼申し上げます